最新スタッドレスタイヤを試乗リポート
横浜ゴムの最新スタッドレスタイヤ「アイスガードファイブプラス」。シリーズ最新作で、「氷に効く・長く効く・燃費に効く」というキャッチフレーズどおり、氷上性能・ライフ性能(冬道性能)・省燃費性能を売りとするタイヤだ。これらは従来モデルでも定評があったが、アイスガードファイブプラスでは氷上性能を7%向上、転がり抵抗7%低減すなど、各種性能をグレードアップしているのが特徴だ。今回、このアイスガードファイブプラスを装着して雪道を走る機会を得たのでリポートしよう。
装着車はクリーンディーゼルで人気のマツダCX-3(タイヤサイズ:215/50R18)。2015年12月は全国的に雪が少なく、クリスマス前に訪れた山形県の蔵王周辺にも雪はほとんどなかった。しかしさらに山をのぼり、蔵王ラインの終点近く、冬季通行止めのエコーラインに近づくにつれて、路面は急激に過酷な環境になった。
路面深部は、昼間に溶けた雪が深夜に凍り、タイヤにより踏み固められたアイスバーンが広がる。その上には比較的最近降った雪などが圧雪されているが、要所で深部のアイスバーンが出ているのが厄介だ。冬季路面でもっとも怖いのは、このような足元をすくわれる路面。圧雪路やアイスバーンなど、路面環境が安定していれば、相応の速度で走れば怖い思いをせずに済むが、突然路面のグリップが大きく変化する環境はヒヤッっとする。
そんなときにアイスガードファイブプラスは威力を発揮してくれた。その名前にあるとおり、アイス路面でのグリップ力が高いのも特徴だが、なにより好印象なのは環境変化への適応能力が高いこと。具体的にはタイヤの柔軟性が、グリップなどの路面の環境変化を穏やかにしてくれる。イメージとしては硬いタイヤだと、路面変化がダイレクトに滑りなどを誘発するが、柔軟だとその反応が穏やかになる。しかも、手応えとして路面の変化がドライバーの手に伝わってくるのがさらにいい。
ドライ路面での高速走行では、不安定な動きを誘発するものではないが、若干フニャっとする動きがあった。しかし、感覚や身体がその動きにも順応するので、グニャ感を強調するタイヤに負担をかける硬めの足まわりでなければ気にする必要はない。
ちなみに、この柔軟性がドライ路面やウェット路面はもちろん、路面が凸凹しやすい圧雪やアイス路面において、乗り心地に優しさを生み出しているのも魅力だ。スタッドレスタイヤで長距離を走るケースが多いひと、同乗者がいる環境が多いひとは、快適性や疲労度の軽減を狙って選ぶのもいい。
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