先行車追従式クルーズコントロールを使えば半自動運転が可能!
「クルマの買い換えは、自動運転のクルマが出るのを待ったほうがいいですか?」などの質問が多い。ことの発端は、ぶつからないブレーキと評される、ぶつからずに済む〝かもしれない〞自動ブレーキが普及し出し、その拡張機能に半自動運転的な世界が急速に浸透しはじめたこと。自動ブレーキに必要なのは人間の目の代わりをする何らかのセンサーと、そこから得た情報を処理して危険がないかを判断する頭脳。それを広く使うと、半自動運転の源である先行車追従式のクルーズコントロールが可能になるわけだ。
では、早速クルーズコントロールが可能な代表モデル5台で高速道路でのインプレッション。
クルマ自体は極上の仕上がりだ。しなやかに振動を吸収するし収束させる。音も静か。通常、これら重量級はアクセルやブレーキ操作へのレスポン ス不足が気になるが、今回はクルマが操作を行なってくれる。加減速の調整もスムースで、クルコンを積極的に使って乗りたいモデルである。
一度味わってしまうと〝セルフ〞運転には戻りたくない感覚を抱く。最大の特徴はハンドル操作までサポートしてくれることにある。これにより高速道路での負担や疲労度が大きく軽減される。そして好印象だったのがドライバーに注意を促す警告が明確なことだ。
人間をダメにするほど賢い頭脳をもつのが特徴。すべてを並みのドライバー以上にスムースに操作してくれるのがスゴい。 特にハンドル操作アシストが他車より格段にスムースで、白線を先読み予測してハンドル操作をしているかのようなのだ。ドライバーとの意識連携が高まるとさらに信頼度が増す。
ボルボの最大の特徴は、表示が見やすくてクルマが今どのような状況判断をしているのかが手に取るようにわかること。法定速度表示に加え、設定速度、車線検知状況などがひと 目でわかる。車線維持やクルコンでのブレーキ操作はやや弱めで、あくまでもサポートに徹している姿勢が感じられた。そしてディーゼルと追従クルコンの相性は抜群。
実は判断がとても難しい1台だ。 制御自体はとても穏やかで、まわりの状況を読み取るセンシングも長けているし頭も賢いのだが、いろいろな要素を入れすぎた印象がある。ま るでクルマのまわりにバリアを張っているかのようで、前走車などに近づけない。アクセルやブレーキの制御はスムースだが、車線キープはなく速度制御のみとなっている。