熱狂のシルエットフォーミュラ時代(1976-1981) (2/2ページ)

妥当ポルシェに燃えたライバルたち

★コンサバなマシンづくりで対応したザクスピード★
1978 Ford Zakspeed Turbo Capri & 1981 Ford Zakspeed Turbo Capri

 後にはF1GPに参戦するまでになるドイツのコンストラクター、ザクスピードがフォード・カプリをベースに仕立て上げたシルエットフォーミュラがターボ・カプリ。ベースモデルのモノコックを使用し、ターボチューンを施したエンジンに換装しオーバーフェンダーとエアロパーツを装着するという、コンサバなマシンだったが、やはり1.4リッターターボではポルシェのライバルとはなり得なかった。しかし2リッター以下のマシンで戦われていたドイツの国内選手権…DTMの前身では大活躍を続けた。ザックス(SACHS)カラーの1978年仕様はドイツのシュパイヤー技術博物館で、ウルト(WURTH)カラーの81年仕様はやはりドイツのジンスハイム自動車博物館で撮影。

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Ford Zakspeed Turbo Capri
Zakspeed_Turbo_Capri
Zakspeed Turbo Capri

★思わぬ展開から実戦参加を逃した悲運の名車★
1979-80 BMW M1 für Procar-Serie

 BMWが、最終兵器として用意したのがM1。3.0CSLに搭載されていた3.5リッター直6をベースに自然吸気で470馬力のグループ4仕様と、3.15リッターに排気量を縮小してKKKターボを装着した850馬力のグループ5仕様が開発された。シャシーはランボルギーニに開発から生産までが委託され、ジャンパオロ・ダラーラがデザインしたが生産計画が遅れに遅れ、外注先を変更したものの400台を生産して公認されたのは1980年の暮れ。翌81年からの参戦が可能となったがシルエットフォーミュラ自体が衰退し、期待された活躍もできないまま悲運の名車となった。写真の79~80年プロカー・レース仕様はドイツのホッケイハイムにあるサーキット博物館で撮影したもの。ph100401_1979-80_BMW M1 fur Procar-Serie_IMG_2181

★シリーズ後半期、最強のチャレンジャーに★
1981 Lancia Beta Montecarlo Turbo

 シリーズ前半期を、ラリーマシンからコンバートしたストラトスで戦ってきたランチャが、後半期に向けて開発し、1979年にデビューさせたシルエットフォーミュラがベータ・モンテカルロ・ターボ。ベースモデルのキャビン部分を流用、前後にパイプでサブフレームを組んだシャシーに、2リッター直4から、換算して2リッター以下となるよう1.45リッターまで排気量を縮小した直4ツインカムターボをミッドシップにマウント。2リッター以下のクラスではもちろん、オーバーオールでもポルシェと時には互角な戦いを展開し、デビューシーズンにクラスタイトルを獲得すると、80~81年には2年連続総合優勝を飾っている。13年に開催されたマルティ二・レーシングの企画展にて撮影。ph100501_1981_Lancia Beta Montecarlo Turbo_IMG_9801ph100502_1981_Lancia Beta Montecarlo Turbo_IMG_9955


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