広島空港から移動するのに一番便利なレンタカーで出発すると…
先日所要があり広島まで飛行機で出掛けたのですが、いやはや広島空港は本当に不便です。
ともかく広島市の中心地からとんでもなく遠い。しかも標高330メートルの山の上にムリヤリ滑走路を引いたものですから、電車もモノレールも通っていない。来広者が市内へ向かうには、タクシーかリムジンバス、或いは自分でレンタカー運転するしか道がないのであります。
バスは時間が掛かるし、タクシーは高い。レンタカーでの移動が最も合理的です。
空港内には各レンタカー会社のカウンターが並んでおり、ネットで予約した旨を告げるとワンボックス車に案内され、少し離れた駐車場に連れて行ってくれます。免許とクレジットカードを提示し、ありきたりの注意事項を早口で聞かされ、クルマの周囲をグルっと回って傷の有無を確認すると、ものの2分でクルマを貸してくれる。この辺の手際の良さはさすがです。
で、エンジンをかけて発進しようとした所で、レンタカー屋の兄さんが、「あの……お客さん……」と口ごもる。「高速を使われますよね?」。無論、広島市内へ向かうには高速を使うのですが、彼はいったいなにが言いたいのでしょう?
「ええ、そのつもりです」「でしたらあの……スピードの出しすぎには十分注意して下さい。特にその……高速に乗るまでの間は」「はぁ?」「ですからあの……スピードには注意して下さい」。
ここで漸くハハーンと気が付きました。つまり彼は「高速までの間に、ネズミ捕りをやっているから気をつけて下さい」と暗に教えてくれているのです。しかしレンタカー屋があからさまに「この先でネズミ捕りをやっていますよ」とは言えないので、こうしてヘドモドしながら遠回しに教えてくれているのです。
空港から山陽道へ向かう道は、二車線の長い下り坂で“高速っぽい”造りになっている。自然とスピードが出てしまいます。先ほどの兄さんの忠告に従ってゆっくり走っていると、果たして橋の下に身を潜めて、お巡りさんが速度計測をしているではありませんか!
地元ナンバーの方々は、この場所が「ネズミ捕りの名所」であることを先刻ご承知のようで、空いているのに妙にゆっくり走っている。ここで捕まっているのは“わナンバー”のレンタカーばかりです。何キロオーバーで捕まったのでしょう。ガックリとうなだれるお父さんの後ろ姿が悲しいです。
ネズミ捕りは、正式には「有人式一般速度取り締まり」と言います。
昔は「坂道やカーブの道では正確な計測が出来ない」、と裁判になった事もありましたが、最近はどうなのでしょう。計測器の精度が上がり、多少の坂なら測れるようになったのでしょうか。
しかし空港を出て僅か1キロの場所でネズミ捕りとは……。楽しい筈の旅行の出鼻をガツンと挫かれてしまうのですから、広島県警も意地が悪い。女性連れで旅行に来た人なんか最悪ですね。ちょっとスピードを出して良いところを見せようとしたらこのザマですもの。まあスピードを出すほうが悪いのですが…。
読者諸兄も知らない土地で運転される際は、安全運転とともに地元での情報収集を怠りなく!