[検証実験]「ボディカラーが濃いクルマは暑いって本当か?」 (2/2ページ)

■開始から10分で室温に変化が……!ダニも死んでしまう温度に到達

上段が室内温度。濃色車は計測から約1時間50分で54.2℃に到達。さらにこの後55.2℃を記録。スタート時の室内温度は31.6℃ということは約2時間で20℃以上も上昇したことになる
上段が室内温度。濃色車は計測から約1時間50分で54.2℃に到達。さらにこの後55.2℃を記録。スタート時の室内温度は31.6℃ということは約2時間で20℃以上も上昇したことになる

 計測開始時はほぼ同じ温度だった2台が、わずか10分であっというま10℃近い差がついた。このまま両車は上昇を続け、いずれの車内も50℃を超える車内温度となり、特に濃色車では計測開始から30分で50℃を突破した。淡色車では30分で46.7℃を記録。上昇は遅いものの、人が過ごせる状態ではない。最終的には5℃の差ながら、やはり濃色車のほうが高い結果となった。

横軸は計測時刻。 濃色車の室内温度の上昇は早い。しかし、50℃を超える人にとって危険な温度差5℃はないに等しい
横軸は計測時刻。 濃色車の室内温度の上昇は早い。しかし、40℃を超えると人にとって危険なことには間違いない。濃色車と淡色車の温度差5℃はないに等しい
時間11:0511:1511:2511:3511:4511:5512:0512:1512:2512:3512:4512:5513:05
淡色車内(℃)31.536.844.846.747.647.948.648.949.249.748.949.150.4
濃色車内(℃)31.645.247.9 5051.352.252.753.154.153.353.554.855.2
時間11:0511:1511:2511:3511:4511:5512:0512:1512:2512:3512:4512:5513:05
淡色車外(℃)39.44039.339.138.237.436.936.436.235.735.335.936.4
濃色車外(℃)38.138.139.838.938.938.838.939.641.141.242.444.445.2

 車外の温度は風などにより上下しているものの、どちらもボディサイドの温度は30℃後半。直射日光を受けている天井は触ることが厳しいほど熱かった。

わずか数分でボディは触れられないほどの熱さに
わずか数分でボディは触れられないほどの熱さに

 ちなみに、50℃といえば30分でダニが死んでしまう温度だ。パソコンのハードディスクも故障の危険リスクが高まる。また体温を超える車内温度は即熱中症になるおそれがある。

  

 今回ダッシュボードの温度も計測した。両車共に温度計の上限70℃を振り切った。

 車内温度に加え、ダッシュボードの温度は信じられない数値になることが判明した。
ダッシュボードいろいろな物が置かれた車両をよく見かける。可燃物やケミカル品、携帯電話などの電子機器は発火の危険性がある。絶対に放置しないでほしい。

  

テスト結果では通説どおり「濃色車は暑い」ということになった。
だが、その差は5℃。上のグラフや表を見ればわかるが、結果的には淡色車も50℃に到達している。
過去に同様なテストを行ったときは、ジリジリと淡色車の温度が濃色車に近づいた。
つまり、ボディカラーの濃淡による室内温度は、上昇の仕方には違いがあるが、絶対温度には大きな差がないということだ。

 このようなことからも、炎天下に駐車した車内は大人でも危険な温度になる。
くれぐれも「車内に小さな子どもやペットの放置」は絶対にやめてほしい。

 ちなみに今回は、スタッフの健康を考慮し室内温度の上昇が緩やかになったところで計測を中止した。

  


新着情報